食品工場の課題3選◆人手不足の対策と生産性向上のメリットとは?異物混入の原因と対策方法も解説します

「食品加工工場をもっと良くしていきたい」
「従業員の育成や人手不足を解消したい」
そんなお悩みありませんか?

職場をよりよくしたい気持ち、わかります。

今回は食品製造工場にある
・農林水産省の調査結果による3つの課題
原因解決策
・押さえたい異物混入リスク
について紹介します!

現場のみなさんのお力に少しでもなれたら幸いです。

遠藤工業ではステンレス製(水・温水用)スプリング式ホースリールをご用意しています。
・ホースを任意位置で止められる
・自動でホースの巻き取りができる
・壁面取付が可能
食品工場などでフロアのライン、食品製造機械等の洗浄を清潔に行うことができます。

使用している動画など、商品の詳細はこちらからみれます。

食品製造工場で解決したい3つの課題

農林水産省の調査によると、現場で感じている課題は大きくわけて3つ。
1.人材の確保・育成に取り組む際の課題
2.生産性向上に取り組む際の課題
3.輸出に取り組む際の課題

これはどの工場も課題に感じているのではないでしょうか?

それぞれについて詳しくみていきましょう。
(参照:令和3年度 食料・農林水産業・農山漁村に関する意識・意向調査食品産業の経営課題等に関する意識・意向調査結果

課題1:人材の確保と育成の課題

人手が足りない」
離職者が多い」
どの現場でも人材の確保・育成は課題の1つです。

なぜ人手不足が起こるのか?

人手不足の理由は大きく分けて3つあげられます。

1、少子高齢化による労働力不足

人手不足の問題には
人口が減っているため働く人が減っている
・働き手も高齢化で仕事が限られる
などの理由があります。

日本の総人口のピークは平成20年が12808万人。
平成23年には12783万人となり、以降はずっと減少傾向です。
(参照:人口減少社会、少子高齢化/総務省統計局

日本の総人口は今後ますます減り続けると予想されており
・2026年に人口1億2,000万人
・2048年に人口9,913万人
・2060年に人口8,674万人
になると推計。

今後も人手不足の課題は深刻になっていくと考えられます。
(参照:第1章第1節将来推計人口でみる50年後の日本/内閣府

2、離職率が高い

人手不足の理由として離職があります。
・食品の匂い
・足腰に負担がかかる
・繁忙期の残業がある
・衛生対策に関するルールが厳しい
・作業スピードが早いため忙しく感じる
・外と工場内の温度差など労働環境が過酷
・ライン作業の単純作業が人によっては合わない
これらの理由で退職を決断する人が多いようです。

さらに離職者が増え人手不足になることで
・残業が増える
・休暇が減る
などどんどん悪循環になっていきます。

3、製造業へ3Kのイメージが定着している

製造業の一般的なイメージとしてあるのが3K
1.きつい
2.汚い
3.危険
これらのマイナスの印象をもっているのも理由の1つです。

人材不足を解決するには?

今後ますます深刻になっていく人材の確保。
そのためにできることは何があるのか3つお伝えします。

1、従業員のモチベーションを高める

まずは今働いている従業員の離職を防ぎましょう。

なぜなら従業員が働き続けたくなる職場にならなければ、新たな人材採用をしても長続きしないからです。

そのためには目指すべき目標をしっかりと見せることが重要。
勤続年数が収入にどう反映されるのか
・実績がポジションにどう反映されるのか

従業員が働き続けることに魅力と希望をもてるよう、人事制度をクリアにしておきましょう。

2、女性を積極的に採用する

女性採用の幅を広げることも重要。

以前は外国人労働者も多く採用していましたが、現在は減少しています。
その理由として
・新型コロナウィルス
・記録的な円安
・アジア圏の国での賃金が上がっている
などにより日本で働くメリットがないという風潮が広まりつつあります。

新たな従業員を受け入れる前に、職場の環境を整備することを忘れてはいけません。
・女性用に必要な設備の準備
・古い箇所はメンテナンスしていく
・従業員の要望も聞きいれる
女性が働きやすい環境を作ることも大切です。

3、働き方の見直し

従業員それぞれのワーク・ライフ・バランスを実現しましょう。

下記にあげるのは一例です。
・健康診断
・ストレスチェック
・休憩室などの設置
・長時間労働をなくす
・年次有給休暇を取得しやすくする
・空気環境、気温、湿度条件などの作業環境の管理
・洗面所、トイレなど清潔で使いやすい状態にする
・無理な姿勢での長時間作業、肉体労働などの負担を改善

4、3Kのイメージを改善する

さきほどお伝えした3Kのイメージを改善するには
・職場環境を整える
・SNSなどで新しいイメージを見せる
・ホームページなどで魅力を発信していく
といった方法があります。

採用したい人たちに新しいイメージが届くよう試行錯誤でやってみましょう。

課題2:生産性向上の課題

生産性向上に取り組む理由の1つに、企業の利益があります。

生産性が向上すれば、より少ないお金大きな成果を生み出せます。

そうすることで企業の成長に繋がるため、取り組みたい課題の1つです。

生産性向上とは?

生産性とは
「企業が投入した経営資源
に対し
「どれだけの成果を生み出せたか」

投入資源を減らしつつ、成果を大きくするほど生産性が高いといいます。

製造業での生産資源
・製品を製造するために原材料
・従業員の人件費
・製造にかかった時間
などを指します。

世界的に見ても日本は労働生産性が低いと言われています。 <日本の労働生産性を国際比較した順位>

日本の時間当たりの労働生産性 52.3ドル OECD加盟38カ国中30位
日本の一人当たりの労働生産性 85,329ドル OECD加盟38カ国中31位
日本の製造業労働の労働生産性 94,155ドル 主要34カ国中18位
(参照:労働生産性の国際比較2023/公益財団法人 日本生産性本部

生産性向上のメリット3選

それでは具体的に得られるメリットをご紹介します。

1、品質が安定し企業の信頼に繋がる

生産性向上により
・作業スピードを速める
・従業員の持つ技術を平準化
することができます。

より早く一定品質で提供することにより
・企業の信頼性
・お客様の満足度・安心
につながります。

2、利益がUPできる

製品や原材料の ・ムダ
・ロス
・作業ミス
などがなくなることで生産量が増え利益がアップします。

3、コストを削減できる

・従業員の労働時間が減る
・在庫のロスを削減する
生産性をあげることでコストが削減されます。

生産性向上するためのステップ

では生産性を高めるためのステップを紹介します!

1.改善する業務範囲を決める

だれがどの業務を行っているのか
・業務のどこに課題を感じているのか
などを確認しどの業務範囲の生産性を向上させるか決めましょう。

範囲が決まったら部署ごとに
・業務で負担と感じていること
ムダだと感じていること
・導入したいツール設備
・業務のスケジュール感
従業員で意見を出し合います。

規模が大きく全員がむずしい場合は、現場担当者責任者にもヒアリングしましょう。

2.4つの視点で改善方法を決める

次に可視化した業務内容課題を、4つの視点で改善する方法を決めます。

簡素:ムダな業務を削る
・業務の効率化
・従業員の負担を減る
ことに直結します。

集約化:共通して業務工程をまとめる
・重複している工程
・ムダな作業
を減らせます。

標準化:同じレベルで遂行できるようにする
・一定の品質が保てる
・業務の手順や方法が明確になる
など基盤が整います。

システム化:課題を解消するシステムの導入
・業務工程の削減
・業務負担の削減
・業務フローの明確化
につながります。

3.業務プロセスを可視化する

改善策が決まったら業務プロセスを可視化していきます。
業務内容担当範囲一連の流れフローチャートで作成
業務の手順注意点などをまとめたマニュアルを作成
・組織内全体の業務フロープロセスマップで作成

4.新しいマニュアルについて現場の意見を聞く

新しいマニュアルを見ながら現場の意見を聞き取り入れましょう。

ステップ2で紹介した4つの視点目標としたとき、改善した業務プロセスで達成できるのか検証が必要です。

・業務を集約化したことで問題はないか
・標準化の目標は達成できているか
現場の意見を取り入れながら実験・改善を繰り返し行うことが大切です。

課題3:輸出に取り組む課題

今後の輸出可能性についてみてみると
・「拡大の余地がある」
・「競合品との競争次第」
という意見が多く成長の余地が大きいことがわかります。

そこで感じている課題をみていきましょう!

1.食品製造業の輸出への取り組み状況

農林水産物・食品の輸出全体額1兆4千億円。 そのうち加工食品の輸出額は2022年に5千億円(約4割)。
2030年の目標として5兆円を掲げています。

しかし食品製造業での輸出の取り組み状況

輸出に取り組んでいる事業所 約1割
今後取り組む予定 約1割

となっています。

2.食品製造業の輸出の現状と課題

・食品安全規制
・市場情報
・サプライチェーンの構築
が課題となっていることがわかります。

しかし収益性大きな課題とはなっていません
このことから加工食品の輸出市場の成長は期待できると言えるでしょう。
(参照:-食品製造業アンケート- 国産原料を活用した加工食品輸出の現状と課題/一般社団法人 食品需給研究センター

気になる!防ぎたい異物混入リスク

最近食品加工工場の課題としてあげられるのが異物混入

この課題と解決策について最後に触れていきます。

異物混入とは何か?種類ごとの対策とは?

異物混入とは
食品製品本来入っていてはならない異物が、製造や流通の過程で入ってしまうこと」

この、入ってはいけない異物には主に3種類あります。

① 動物性異物

・人(毛髪、爪、ひふ、血液など)
・虫
・その他の動物が由来のもの
など異物です。
虫や動物の排泄物なども該当します。

② 植物性異物

・植物片
・種子
・木片
・花粉
・微生物(カビや細菌など)
・紙類
などが植物性異物に該当します。

③ 鉱物性異物

・石
・砂
・金属
・ガラス
・樹脂
・貝殻片
がこの異物に該当します。

異物混入を防ぐ、具体的な対策

では食品に異物が混入してしまう原因とはどのようなものがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。

(1)従業員による異物混入
原因 ・従業員の作業ミス
・ルール違反
対策 粘着ローラーで衛生白衣に付着した髪などをとる
エアシャワーを設備する
余計な物を持ち込まない
(2)害虫・害獣による異物混入
原因 ・天井や床面などの破損
・窓や扉などが開いている時間が長い
整理・整頓が不十分
洗浄が不十分
対策 ・天井や壁面の穴を塞ぐ
・入場口には防虫のれんをつける
エアカーテンを設置
・入退場時はドアを素早く開閉
段ボール箱に害虫や卵がいる可能性もあるため持ち込ませない
(3)施設・設備による異物混入
原因 ・建屋自体の劣化による塗装片などの落下
・天井が高いなど清掃がしにくい
対策 ・施設や設備の清掃・洗浄
・清掃やメンテナンスをしやすい施設や設備にする
・食品に接する機器の洗浄に使用する水は飲用水として使えるものを使用
・色彩選別機などは異物除去の能力確認を定期的に行う
まとめ

食品製造工場にある課題3つと、押さえておきたい課題について紹介しました。

人材確保と育成の課題
生産性向上の課題
・輸出に取り組む課題
・異物混入の課題
あなたの職場改善のヒントになれたら幸いです。

遠藤工場では、食品工場などの洗浄作業に適したステンレス仕様水・温水用スプリング式ホースリールを取り扱っております。

・四方向ガイドローラーあり
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