食品衛生責任者って何?資格の取得方法から業務内容までのまとめ

「いつか自分のお店を持ちたい」

「でも食品衛生責任者ってなに?」

と思う方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな方向けに
 ・食品衛生責任者とは
 ・食品衛生責任者になる方法
 ・食品衛生責任者の業務内容
について、2024年11月時点の情報をまとめます。

飲食業界で働くなら需要は高く、持っておいて損はない資格なので、ぜひご覧ください。

食品衛生責任者って何?

食品衛生法第51条に基づく公衆衛生上必要な措置の基準により 「営業者は食品衛生責任者を定めること」とされています。 (公衆衛生上必要な措置の基準について/東京都保険医療局

つまり食品を
 ・調理
 ・製造
 ・加工
 ・販売
を行う施設に1人配置しなければいけません。
なお届出不要な営業者は選任を必要としない、というような例外もあります。
ただしこれも自治体によって異なるため確認が必要になります。

注意することは、基本的に1人が複数の店舗や施設を兼任することができないことです。
例外的に店舗が隣接している場合などは兼任が認められることも。
(参照:「食品衛生法等の一部を改正する法律」に基づく政省令等に関する説明会-ご質問への回答/厚生労働省
ただしこれも自治体によって異なるため確認が必要になります。

食品衛生責任者が必要な場面は?

食品衛生責任者はいろいろな場面で必要になります。

例えば
 ・飲食店営業
 ・食品製造業
 ・食肉処理業
 ・魚介類販売業
 ・乳処理業及び乳製品製造業
 ・食品販売業
 ・キッチンカーでの販売
など。

「営業したいけど資格を持っている人がいない!」
なんてことにならないように前もって準備が必要ですね。

食品衛生責任者を設置しない場合どうなるの?

食品衛生責任者を選任せずに営業を継続したり、他人名義で営業をすると ・保健所からの指示
・営業停止
・営業許可の取消
などのリスクがあります。

資格を取ったらメリットはある?

資格を取るメリットとして
・飲食業界で働きやすくなる
・食べ物を管理する知識がつく
・定期的な講習会の受講で知識を常にアップデートできる
ということが挙げられます。

各店舗や施設1人は必要になるので、需要は高く持っておいて損はない資格です。
また、日常でも活かせる知識なので自分や周りの人の健康を守ることができます。

食品衛生責任者の役割は?

食品衛生責任者には2つの役割があります。

1.都道府県知事等が行う講習会定期的に受講し、食品衛生に関する新たな知見の習得に努めること
2.営業者の指示に従い、衛生管理に当たること

つまり定期的に食品衛生に関する情報をアップデートし、業務に活かしていくという役割があります。
(参照:食品衛生責任者の業務内容/東京都保健医療局

1.都道府県知事などが行う講習会の受講

食中毒の発生状況等
・地域の実情
・各食品等事業者の衛生管理の状況
を踏まえて各都道府県等によって開催される講習会です。

受講は努力義務として規定されていますが、お客様の安全や衛生管理徹底のためにも定期的に受講したいですね。

2.営業者の指示に伴い衛生管理を行う

営業者は ・衛生管理計画・手順書の作成
・食品取扱従事者等への周知徹底
・衛生管理の実施状況の記録・保存
・衛生管理計画・手順書の検証
を規定します。
食品衛生責任者はこれらをしっかりと実行することが役割です。

また上記の改善点などがあれば 「営業者に必要な意見を述べるよう努めること」
が求められます。

資格はどうやって取得するの?

「食品衛生責任者がどういうものかわかったけど、実際どうやって資格を取ればいいの?」 と疑問に思いますよね。

具体的な資格の取得方法についてご紹介します!

【有資格者の場合】

・調理師
・栄養士
・製菓衛生師
・船舶料理士
などの資格を既に持っている場合は食品衛生責任者になれます。 改めて資格を取得する必要はありません。
(参照:食品衛生法施行規則/別表第十七(第六十六条の二第一項関係)/e-Gov法令検索

【有資格者ではない場合】

食品衛生責任者養成講習会を修了することで取得します。
講習会は
・会場型の講習会
・Eラーニング
2つの方法で受講できます。

1.会場型の講習会

各都道府県ごとの決められた日程に申し込み、集団で講習会を受講します。

都道府県ごとに管轄が違うので、自分の該当する各都道府県市の食品衛生協会に連絡を。
(参照:全国の食品衛生協会/公益社団法人日本食品衛生協会

日程が決まっている場合が多いので、お仕事との調整も必要ですね。

2.Eラーニング

各都道府県の管轄しているサイトからの申し込みをして、好きな場所、好きな時間に受講できます。

24時間いつでも受けられるので自分の予定に合わせて受講することができます。

資格についてのQ&A5つ

受講資格から取得の難易度など、みんなが気になる点をまとめました。

どんな人が受講できる?受講資格は?

地域により異なります。

一例として東京都の受講資格を記載します。
・経験・学歴は問わない
17歳以上の方(高校生は除く)
・外国人の方は日本語が理解できる
身分証明できる方
特に年齢については地域により差があるため要確認です。

(参照:食品衛生責任者養成講習会/一般社団法人東京都食品衛生協会

勉強内容は?試験の難しさは?

勉強内容は大きく分けて3つです。

東京都を例にすると、大体の時間配分は以下の通り。
 1.食品衛生学(2時間30分)
 2.公衆衛生学(30分)
 3.食品衛生法(3時間)
合計6時間ほどの講習です。
時間内にテストも実施されます。

(参照:食品衛生責任者養成講習会/一般社団法人東京都食品衛生協会

テストは以下の理由から易しいと感じる人が多いようです。
・講習内容から出題される
・eラーニングの確認テストはやり直しできる
こちらもご自身が受講される地域の情報をお確かめください。

取得にかかる費用は?

地域によって異なります。教材費などを合わせて5,000〜12,000円ほどです。

資格に有効期限はある?

2024年11月時点で有効期限はないため、更新の必要はありません。

ただし定期的な講習会の受講が推奨されています。

また、平成9年4月1日以降の修了証書をお持ちであれば全国どこでも有効です。

(参照:食品衛生責任者/食品衛生の窓/東京都保健医療局

資格証を紛失してしまったら?

食品衛生責任者養成講習会を修了すると修了証書が発行されます。
この証書を紛失した場合、再交付が可能です。

手続きとしては養成講習会を受講した協会への申請が必要になります。

食品衛生責任者と食品衛生管理者の違いは?

字も似ていて間違いやすいですが、別の資格です。
どちらも衛生管理を徹底する役割は変わりません。

しかし食品衛生管理者の場合は特定の食品を製造、加工する施設での衛生管理を担います。

また受講資格も
1.医師、歯科医師、薬剤師、獣医師の有資格者
2.大学の関連する課程を修めて卒業した者
3.食品衛生管理者の養成施設において所定の課程を修了した者
4.食品又は添加物の製造又は加工の衛生管理の業務に3年以上従事し、かつ、都道府県知事の登録を受けた講習会の課程を修了した者
とかなりハードルが高くなります。
(参照:食品衛生管理者/厚生労働省

なお食品衛生管理者は食品衛生責任者を兼ねることができます。
(参照:「食品衛生法等の一部を改正する法律」に基づく政省令等に関する説明会-ご質問への回答/厚生労働省

食品衛生責任者の業務内容

食品衛生責任者の役割は多岐にわたります。
施設の衛生管理
設備等の衛生管理
使用水等の衛生管理
・ねずみ及び昆虫対策
廃棄物及び排水の取り扱い
・食品または添加物を取り扱う者の衛生管理
検食の実施
・情報の提供
回収・廃棄
・運搬
・販売
教育訓練
全ての衛生管理から、従事する従業員の教育まで含まれるのでなかなか大変な業務ですよね。

しかし、衛生管理ができていないと食中毒の発生からそれに伴う経済的損失ブランドイメージの低下にもつながります。

誰もが徹底できるようなマニュアル化や効率化が必要です。

施設の衛生管理におすすめのアイテム

厨房内は汚れやすく、特に衛生管理が必要な場所です。
水を流しての清掃の際
・作業効率の改善
・衛生管理面
・省スペース化
の観点からもホースリールの使用がおすすめです。

遠藤工業ではあらゆる場面で対応できるホースリールを取り揃えています。
手動で引き出し後、自動巻き取り機能もあるので少人数での作業時短につながります。

ホースリールの使い方や商品カタログについてはこちらからご覧ください。

まとめ

食品衛生責任者の理解は深まりましたか?
この記事では、
・食品衛生責任者とは
・食品衛生責任者になる方法
・食品衛生責任者の業務内容
についてお伝えしました。

食品衛生責任者とは飲食店や食品製造業の施設ごと1人の配置が義務づけられていること。
また兼任はできないので非常に需要のある資格です。

資格取得についても
 1.会場型の講習会
 2.Eラーニング
2つの方法で1日で取ることができます。

食品衛生責任者の業務内容については多岐に渡りますが、特に必要なのが衛生管理です。
その先にいるお客様や消費者のことを思い、衛生管理の徹底に努めましょう。