【徹底解説】HACCP義務化って?だれが何する?罰則は?知っておくべきポイントと進め方
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「Haccp義務化っていつから?」
「導入したいけど手順がわからない」
あなたは今、そんな風にお考えではないですか?
この記事では
・義務化についてのよくある疑問
・義務化の3つの背景
・具体的なメリット6つ
企業が取るべき対策に
ついてわかりやすく説明します。
「義務だからしょうがなく」
と思わずに、安全な食のために前向きに取り組んでいきましょう!
HACCPどこまでが義務化?よくある疑問5つを解説
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HACCPの義務化が進み、食品業界全体に大きな変化が求められています。
また消費者も食品の安全を重視。
HACCPを導入することで衛生管理レベルが大きく上がり
・クレームや事故が減る
・生産効率が良くなる
・取引先や販路の拡大
など多くのメリットが!
HACCPをきっかけに、企業はよりしっかりとした衛生管理ができるようになります。
Q1:HACCP義務化の対象は?
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HACCPは食べ物を扱うすべての事業者に関係します。
大きな会社のみでなく
・小さなお店
・工場
も同じように対象となり、衛生管理の計画を立てる必要があります。
しかし小さな飲食店などでは人数が少なく、HACCPのルールを全部守るのが難しいこともありますよね。
そこでHACCPには
・大きな会社向けのやり方
・小さな事業者向けの簡単なやり方
があることを覚えておきましょう。
(参照:業態に応じたHACCP普及のための基本的考え方/厚生労働省)
原則として全ての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化されたけど、屋台や露店はどう管理するんだろう🤔管轄は保健所ですよね。屋台や露店の出品内容が変わるのかな🐻?
— 内科医くま🐻 (@kuma1206) July 4, 2024
Q2:HACCPはいつから義務化したの?
2020年6月から義務化がスタートしました。
「いきなり全部のルールを守るのは大変」
と思った人も多いですよね。
そこで1年間の準備期間が設けられました。
食べ物を作る・売るに関係する
・お店
・工場
は2021年5月末までにHACCPを導入する準備をすることに。
Q3:そもそも義務化ってどういうこと?
「令和3年6月1日から、原則としてすべての食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理に取り組むこと」
を一般的にHACCPの義務化と呼んでいます。
厚生労働省は義務化ではなく制度化と記載していることがほとんどです。
指導に基づき衛生管理を行うことが求められます。
衛生管理の実施状況は
・営業許可の更新時
・保健所による定期的な立入
等の機会に、食品衛生監視員によって確認されます。
(参照:HACCPにそった衛生管理の制度化/P14/厚生労働省)
HACCP導入時に書類の提出が求められることは基本的にありません。
ただし営業許可の申請・更新時に
・一般衛生管理計画書
・重要管理計画書
が求められる場合があります。
都道府県によって異なる場合もあるため、事前の確認が必要です。
Q4:HACCPで何をどう管理する?
HACCPに沿った管理方法は
・事業規模
・取り扱う食品の種類や製造方法
によって異なります。
詳しくは「HACCPに沿った衛生管理の制度化について/厚生労働省)」をご確認ください。
概要は以下のようになります。
・衛生管理の計画を作って、それを関係者にちゃんと伝えること
・衛生管理がちゃんと実施されているかどうかを記録し、保存すること
・衛生管理計画や手引書が効果的かどうかを確認して、必要があれば内容を見直すこと
食品の安全を守るためには、これらの管理をしっかり徹底することが本当に重要です。
Q5:第三者認証は義務にふくまれる?
第三者認証の取得は義務ではありません。
(参照:HACCPにそった衛生管理の制度化/P14/厚生労働省)
しかし認証を受けることで
・顧客の安心・信頼につながる
・認証が必須条件な取引に参加できる
といったメリットがあります。
HACCP義務化の3つの背景
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HACCPは
「FAO(国連食糧農業機関)」
と
「WHO(世界保健機関)」
の合同機関である
「Codex(コーデックス)委員会」
が発表したものです。
このルールは世界中で採用されていて、日本でもHACCPの制度化が決まりました。
日本でHACCPが導入された背景にはいくつか理由があります。
①食品の輸出にHACCPが必要になった
食品を他の国に輸出するときにHACCPに対応していることが求められるケースが増えてきています。
そのため日本でも国際基準に合わせた食品衛生管理が必要になってきたんです。
②HACCPの取り組みが進まなかった
1990年代後半から日本でもHACCPを取り入れる動きがありました。
しかし中小企業ではなかなか導入が進まなかったのも理由の1つです。
③食中毒リスクの増加
少子高齢化で高齢者が増えると、食中毒による被害リスクも高くなります。
(参照:食品衛生法を取り巻く現状と課題について/P188/厚生労働省)
そのため食品の製造段階から安全策を講じるHACCPが大事だとされるようになりました。
こうした背景もあって
・食品製造の国際化
・消費者の衛生意識の向上
など現代の状況に合わせてHACCPの制度化が決まったんです。
HACCP導入で直面する課題は?
「HACCP導入でどんな課題が出てくるんだろう?」
と不安に感じている方も多いかもしれませんね。
最近、食品業界では安全管理がますます重要視されるようになってきて、 HACCPを導入する企業も増えています。
今回はHACCPを導入する際にぶつかる問題について、わかりやすくお話しますね。
①書類作成に手間がかかる
課題となるのは、書類作成に手間がかかることです。
書類は業種や規模によって異なります。
・製品説明書
・製造工程一覧図(フローダイアグラム)
などが一例です。
これらの書類を作成して正確に
・記録
・保存
する必要があります。
これらの書類は機関等から提出を求められることもあるんです。
さらに書類作成だけではなく継続的に衛生管理のチェックをしなければいけません。
チェック項目が増えるほど管理の負担も大きくなることに。
チェックリストを作るときは項目を増やしすぎないように気をつけましょう。
②HACCPだけで完全にリスクがなくなるわけではない
HACCPを導入することで食品に関するリスクを減らすことはできますが、リスクが完全になくなるわけではありません。
2021年6月からHACCPに沿った衛生管理が義務化されていますが、食中毒はまだ発生しています。
HACCPを導入しても
・食中毒
・異物混入
などのリスクには引き続き注意が必要です。
HACCPで衛生管理を徹底するメリットとは?
HACCPの導入は企業にとって
・初期費用
・トレーニング
の負担があるかもしれませんが、それ以上のメリットをもたらす可能性があります。
HACCP導入で考えられるメリットをまとめました。
1.食品の安全性向上
HACCPは製造過程で
・発生する可能性のある危害を予測
・その予防策
を目的としています。
社員やスタッフの衛生管理に対する意識が向上し、消費者に安全な製品を提供することができます。
2. 品質の一貫性確保することで信頼がアップ
HACCPの導入により製造過程での管理が強化されるため、製品の品質が安定します。
また生産性の向上にも!
一貫した品質の製品を提供できることで、顧客からの信頼を得ることができます。
3. 法規制の遵守
多くの国では、HACCPの導入が法的に義務付けられている場合があります。
HACCPを導入することで
・法規制を遵守する
・法的なリスクを軽減する
ことができます。
4. 食品事故や不具合のリスク軽減
HACCPは、食品事故を未然に防ぐための予防的な管理手法です。
これにより
・リコール
・健康被害
などの重大な問題を回避。
もし発生しても迅速な対応をすることができます。
5. コスト削減
HACCPを導入することで食品事故や製品の不良による
・リコール費用
・廃棄コスト
などのコストが削減される可能性があります。
またHACCPをきっかけに効率的な管理プロセスも見直され、全体的な運営コストも削減できることがあります。
6. ブランドイメージの向上
安全で高品質な食品を提供する企業としての信頼性が高まり、ブランドイメージが向上します。
これは長期的にビジネスの成長につながります。
HACCP対応しないと罰則がある?
HACCPによる罰則は
・食品衛生法
・各都道府県の条例
などに基づいて設けられます。
くわしくは対象都道府県の情報をご確認ください。
HACCPの義務化にちゃんと対応しているかどうかは
・営業許可を取るとき
・更新するとき
などチェックされる可能性もあります。
もし衛生管理に問題があると、まずは口頭や書面で指導が行われます。
それでも改善しないと、営業の禁止や停止、行政処分が下されることもあります。
(参照:HACCPに沿った衛生管理の制度化/P14/厚生労働省)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
HACCPの義務化は、食品業界にとっては大きな変化ですよね。
でも消費者の安全を守るためには本当に大事なんです。
・衛生管理の計画を立てる
・記録をちゃんと残こす
ことで衛生管理のレベルがぐっと上がります。
そうすることで
・クレームや事故が減る
・生産効率が良くなる
といったいろんなメリットが!
HACCPをちゃんと守ることで、お客様からの信頼が得られます。
食品の安全と信頼を守るために、HACCP義務化をしっかり理解して取り組んでいくことが大切ですね。
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ステンレス仕様の水・温水用スプリング式ホースリールです。
・手動でホースを引き出した際にラチェットをかけることによりホースを任意位置で止められます。
・再度引き出すと自動でホースは巻き取られます。
・壁面への取付を前提とした製品で壁取り付け用ブラケットも同梱しています。
HACCPの義務と上手に付き合いながら、安全な食が提供できるお手伝いができれば幸いです。