省人化とは?省力化・少人化との違いとメリット・デメリット!進め方や事例も

「求人をだしても人手が足りない」
省人化とは作業員を減らすことなんだろうか」
どの現場でも人手不足の悩みがありますよね。

これまでにいくつもの中小企業の人手不足の悩みを聞いてきました。

  • 人材不足の解消
  • 作業効率の向上

が話題となったとき必ず出てくるキーワードが省人化です。

大手企業だけではなく、製造業や工場でも取り組む企業が増えてきています。

そこで今回は

  • 省人化とは?
  • 省人化のメリットとデメリット
  • 導入実例

を紹介します。

しかし省人化に対して
「自分たちの仕事が無くなるの?」
と変化することへ不安不満を感じている従業員もいることと思います。

社内全体が同じ目的意識を持てるように
「省人化を進めるための5つのコツ
も紹介します。

よりよい職場環境を一緒に模索していきましょう。


省人化・省力化・少人化とは?

「省人化って聞いたことあるけどよくわからない
似たような言葉もあり違いもわかりにくいですよね。

ここでは省人化だけではなく

  • 省力化
  • 少人化

についても意味と違いをご紹介します。


省人化(しょうじんか)とは

省人化は「業務のムダな工程を減らしたり、機械化することで人員を減少させる取り組み」のことです。

機械で自動化することで、人手の足りない部署へ人を回すなどして人手不足を解消することができます。

例えば私たちの身の回りでも

  • 店舗の会計を有人レジからセミセルフレジ
  • お客様からの問い合わせ対応を自動対応ができるチャットボットにする

などがあります。


省力化とは

省力化とは 「業務を効率化し楽にする取り組み」 のことをいいます。

できるだけ少ない力で、最大限の生産性を発揮するための取り組みです。

人員を削減するのではなく

  • 業務でのムダな工程を削減
  • 効率化できる作業を探す
  • 補助機器を導入する

など1人1人の作業量削減。 1人で2役・3役できるような体制にします。


少人化(しょうにんか)とは

少人化は「仕事量の変化に応じて最も少ない人数で業務に対応する」ことです。

  • 受注数や生産量に応じて作業人数を変え
  • 繁忙期だけ作業人数を増やす
  • 閑散期には減らす

など人数を調整しながらも生産性を維持します。

省人化を進めることで、できあがった効率的な状態が少人化となります。


省人化のメリット

「人手不足は解消したい」
「でもそのためだけに省人化するのはハードルが高い」と感じていませんか?

実は省人化で得られるメリット3つあります。


1、人手不足の解消

自動化することで特定の担当者依存している状態がなくなる。
すると限りある経営資源である

  • ヒト(企業にかかわる人材)
  • モノ(製品やそれを生む機器類)
  • カネ(経営資金)
  • 情報(ノウハウや顧客データ)

を有効活用することができます。

特に今後の日本では

  • 少子高齢化
  • 労働者人口の減少
  • 働き方改革による労働時間削減

などから、ますます労働力不足が大きな問題となっていきます。


2、生産性の向上と職場環境の改善

これまで手作業でやってきた仕事を機械やシステムでこなすことで、業務・従業員の両方の面で生産性が向上します。

業務 機械やシステムにより
  • 単純作業の処理スピードUP
  • 稼働時間が増える
  • 体調に左右されず一定スピードでの生産ができる
従業員 機械やシステムにより
  • いそがしくてできなかった業務が可能に
  • 新規事業など時間がかかる業務もできる
  • 従業員それぞれにあった配置ができる

さらに機械が人に代わって仕事をすることで

  • 危険な業務が減る
  • 過剰な長時間労働がやめられる

といった労働環境の改善もあります。


3、業務品質の向上

業務品質というのは自社の提供する

  • 価値製品
  • サービス

品質を指します。

品質の向上には次の3つが重要。

精度の向上 仕事や作業でのミスを減らす
生産性の向上 一定時間でこなせる処理件数を増やす
作業品質の安定化 担当者などによる品質のバラツキをなくす

自動化することで、この3つをどれも改善することができます。


省人化のデメリット

省人化でさまざまなメリットを得られますが、注意点も。
取り組む前に知っておきたいデメリットを3つ紹介します。


1、投資コストがかかる

省人化の実現するには

  • 初期費用
  • 維持コスト

などのコストがかかります。

多くの費用と時間をかけたのに 「投資コストより利益が少ない」 となってしまうのでは意味がありません。

  • 自動化できる業務はどれくらいあるか
  • 自動化で生まれた時間をどの業務にあてるのか
  • どれくらいの利益を生みだすのか

コストに見合う成果がでるのか前もって計算することで防ぎましょう。

2、手間がかかる

効率化を進めるためには

  • 業務の再確認
  • ムダの洗い出し

が必要になります。

通常業務をしながら効率化を進めるのは思った以上に

  • 手間
  • 時間
  • 労力

がかかります。

3、誤解される場合がある

「人員削減で解職されるのかな」
「担当業務が増え負担も増えるのでは」
など省人化をよく思わない従業員もいるでしょう。

省人化を進めることで従業員の働く環境がどう変わるのかを、 社内で共有することが求められます。

不安疑問を1つ1つ解決するこが必要となります。

省人化を進めるための5つのコツ

ここからは省人化を進めるにあたって必要な5つのコツを紹介します。


1、目的を明確にし共有する

先ほどのデメリットでも紹介したように、
まず省人化の目的を組織内で共有することも大切です。

なんのために省人化をすすめるのか」
どんな課題を省人化したいのか」
などを共有します。

また目的達成のための目標数値を具体的に伝えることも大切です。

数値化することで

  • どのぐらい効果が出たのか
  • 投資コストの回収ができているか

を測定することができ共有ができます。

いつの間にか

  • 人員の削減
  • 労働者への負担の増加

などに目的がすり変わってはいないか目標をしっかりと掲げましょう。


2、製造工程と課題を洗い出す

まずはすべての

  • 作業内容
  • フロー

課題を細かく洗い出します。

省人化できる箇所を探すためのチェックポイントは次の4つ。

  • 効率化できそうな部分はないか
  • 「当たり前だから、いつもやっているから」
    となんとなく引き継がれているルーティン作業がないか
  • 従業員が負荷に感じている工程がないか
  • 自動化できる作業がないか

作業工程のフローチャートを作成したり、
作業の担当者にていねいにヒアリングをしながら確認しましょう。


3、自動化か廃止かを選別する

自動化は省人化にとても効果的です。
しかし全ての課題機械化するわけにはいきません。

コストがかさむだけで成果が小さいといった工程も考えられます。
洗い出した課題から

  • 自動化できる工程や作業
  • 廃止していい作業

にわけて投資コストが回収できるか見きわめましょう。


4、ツールを扱える人材育成とマニュアルを作成する

どんなにいいシステムを導入しても、従業員が同じように使いこなせるようにならなければ

  • 作業スピード
  • 製品の品質

ばらつきがでてしまいます。

だれもが分かりやすい

  • 作業の流れ
  • 取り組み方

を記載したマニュアルが必要。

従業員に配布するだけではなく

  • ツールを管理する人
  • 使いこなせる従業員

育成が最大限に効果を実感するための鍵となります。


5、作業量を均等にする

従業員によってのバラつきを解消するためには、作業量を均等化することも必要になります。

一部の従業員に作業量が偏っている状況は

  • 業務の停滞
  • 業務の不透明化

などさまざまなリスクがあります。

生産するのにどのくらいの時間をついやしているのか、数字で可視化し状況の把握することで業務を均等化します。


まとめ

今回は

  • 省人化と省力化と少人化の違いについて
  • 省人化のメリットとデメリット
  • 省人化を進めるためのコツ

をお伝えしました。

また投資コスト対策として、中小企業省力化投資補助事業があることをご紹介しました。

遠藤工業では省人化に役立つさまざまな助力装置を販売しています。



①130kgまで吊り上げ可能!電空バランサーまじかるくん

まじかるくんにはこんな特徴が。

  • ワークを直接触っての昇降操作
  • グリップ操作からワーク操作へのスムーズな切り替え
  • ワークの重さが変わっても操作感は変わらず

これらの特徴で、バランサーを導入してもすぐに操作感になじむことができます。



②電気の使用が制限される場所で活躍!エアホイスト

チェーンやワイヤを巻き上げてワークを昇降させるホイスト。 なかでもエアホイストは動力に電気を使わないため、 火花や発熱のリスクが低く電気の使用が 制限される環境での使用に適しています。

エア配管をするだけで使用できるため、導入もスムーズです。
※配管の近くにフィルタ・レギュレータ・ルブリゲータを設置してください。



③精密な位置決め作業が可能◆サーボバランサー

昇降操作によりワークの高さ位置を精密に調整できるサーボバランサー。
遠藤工業のサーボバランサーは300kgまで搬送可能です。

ワークを触っての操作とグリップ操作できるため、スムーズな運搬ができます。
重量物の搬送や組付け等の作業に最適です。

ぜひ一度ご相談ください。