【徹底解説】繊維リサイクルとは?資源にする方法から再利用する仕組みや課題

「繊維リサイクルってなに?」
「SDGsってどう取り入れるの?」

普段なに気なく使っている服やタオル、カーテンなど、古くなったらどうしていますか?

世界中では毎年9,200万トンもの布製品が廃棄されています。
(参照:環境省_サステナブルファッション/環境省)

とくに近年ファストファッションの普及により、ファッション産業では
大量生産
大量消費
大量廃棄
が進み、製造にかかる資源やエネルギーの使用が増加

環境負荷が非常に大きい産業と指摘されるようになり、国際的な課題となっています。

この記事では繊維リサイクルについて
・なぜ必要なのか
・どのような仕組みで行われているのか
・さらに成功事例
・課題の解決策
についても詳しく解説します!

私たちが衣服の背景を理解し、生活者や企業として改善策を考える必要性があります

持続可能な未来を築くためにどのような貢献ができるのか、一緒に考えてみませんか?

繊維リサイクルはなぜ必要なのか?

不要になった衣服がどのように処分されているのかを詳しく知る人はまだ少ないですよね。

手放した服がリユース・リサイクルを通じて再活用される割合の合計は約34%

(参照:環境省_サステナブルファッション/環境省)

年々その割合は高まってきていますが、多くはゴミとして出され
・埋め立て
・焼却
などで処理されたりしています。

海外の繊維リサイクル事情

海外でもいろいろな方法で繊維リサイクルが行われています。
国によって取り組み方は少しずつ違います。

EUでの取り組み

2022年3月、欧州委員会は
持続可能な循環型繊維製品戦略
を発表しました。

この戦略では、2030年までにEU域内で販売される繊維製品を以下のようにする目標が掲げられています。
1.耐久性が高く、寿命が長いこと
2.リサイクル可能であること
3.再生繊維の大幅な使用
4.危険な物質を含まないこと
5.労働者の権利や環境に配慮していること

また2024年7月にエコデザイン規則が施行されました。

従来のエコデザイン指令から置き換わる形での施行です。
指令が規則になると、全てのEU加盟国直接適用されるようになります。
つまりEU域内で製品を販売・使用開始するために遵守すべきエコデザインの枠組み決まったということです。
今後のスケジュールとして以下が予定されています。
・2025年4月 エコデザイン規則の行動計画策定
・2025年7月以降 順次製品別の委任法が採択
ただし
「EUの競争力強化せよ」
という産業界からの声もあるため、どのような規制となっていくか注目です。

アメリカでの取り組み

2024年7月、カリフォルニア州で繊維リサイクル法案(上院法案707)が州議会天然資源委員会で可決され、上院議会を通過しました。

この法案が成立すれば、アパレル製品の生産者は製品の廃棄後
・回収
・リサイクル
に責任を持つことになります。

具体的には、生産者責任組織(PRO)を設立・加入し、その運営費用を負担する義務が生じます。 これにより、繊維廃棄物の削減とリサイクルの促進が期待されています。

サスティナブルファッションが広まっています

そうしたことから環境負荷を考慮したSDGsサステナブル(持続可能)なファッションへの取り組みが近年広がっています。

サステイナブルファッションとは?

サステナブルファッションとは衣服の
・生産工程
・購入や着用
・廃棄
地球環境への影響を配慮したファッションのことです。

先述した環境への負荷に加えて、途上国の工場での労働環境動物福祉などの問題も課題になっています。

それらの多くの問題を解決するために、生産から廃棄に至るまで
・地球環境
・社会
・人々
に配慮し、サステナブル(=持続可能)なファッションをつくっていくための取り組みです。

服を資源にするには?

ペットボトル回収のように、処分の仕方で衣服も生まれ変わることができます。

まずは衣服を燃えるゴミではなく資源として回収することが大切です。

1、古着の店頭回収

<生活者側>
古着回収を行っている店舗を、調べて持ち込みましょう。
服1着がゴミとして廃棄・焼却されなければ、約0.5kgのCO2が削減につながります。
(参照:環境省_サステナブルファッション/環境省)

<企業側>
・販売店で店頭回収をする
・回収ボックスの設置
などの取り組みにより、古着を回収しやすくすることが重要です。

2、自治体で古着回収

<生活者側>
各自治体のホームページで調べ、古着を資源として回収に出しましょう。
グループで集団回収を行えば、自治体より奨励金などを受けられることもありますよ!

回収した服は繊維リサイクル!

回収しても着られないものは、素材パーツごとにわけたリサイクル等を行います。

繊維リサイクルでは3つの方法があります。

①マテリアルリサイクル

いらなくなったものを細かく切ったり砕いたりして、材料に戻し、それを使って新しいものを作る方法です。

例えば
・古い服や布を細かく切って、また新しい布や服の材料にする
・ペットボトルを溶かして、新しいペットボトルやプラスチック製品を作る

この方法では、材料をムダにせずに、もう一度使うことが大事になります。

しかし材料を集めるときや切るときは、きちんと管理して、良い材料を選ぶ必要があります。

②ケミカルリサイクル

衣類薬品で分解し、元の原料に戻して再利用する方法です。
この方法では高品質な素材が得られますが、コストが高いという課題があります。
・ポリエステル
・ナイロン
といった合成繊維を効率的に再利用できるため、特に注目されています。

③サーマルリサイクル

廃棄物処理時に出るエネルギーを回収し
・電気
・蒸気
などのエネルギーとして再利用する現状の効率アップの取り組みです。

そうすることで廃棄物をただ燃やして終わりにせず、出た熱をエネルギーに変えることで、資源をムダにしないようにします。

例えば
・ゴミ焼却場の熱で発電する
・焼却した熱を地域の暖房に利用する
といったものです。

繊維リサイクルの3つの課題

繊維リサイクルには多くのメリットがあります。 たとえば、廃棄物の削減、資源の有効活用、そして環境負荷の軽減などが挙げられます。 しかし一方で、いくつかの課題もあります。

①素材の分離がむずかしい

衣類には複数の素材が混ざっていることが多く、分離が難しいです。

これに対しては、AIを活用した素材判別技術や、分離しやすい素材を使用する製造プロセスが開発されています。

②コストの高さ

リサイクルした素材のコストが新しい素材よりも高い場合があります。
・政府の補助金制度
・企業間の連携
これを通じて、コスト削減の取り組みが進められています。

③消費者意識の低さ

消費者が不要な衣類を適切にリサイクルに回さないことが課題です。 リサイクルボックスの設置やポイント制度を活用した回収促進策が有効です。

カッティングマシンが繊維リサイクルを支えます

繊維をリサイクルするとき、古い布を効率よく細かく裁断することが重要です。
遠藤工業のカッティングマシンは、そうした作業を正確かつスピーディーに行える優れた機械です。

古着の切断
高速カッティングマシンによる古着の切断デモ動画です。
型式: CT60N+N45

特徴1:スムーズな裁断

・各種繊維
・軟質プラスチック
・ゴム
・スポンジ
などの軟質物を切断できます。

高い精度で繊維を均一な大きさに裁断できるため、その後の工程がスムーズに進みます。

特長2:簡単で正確な刃の調節

高速・大量切断ができ、丸めたカーペットなどの長いものも連続投入可能です。

機械前面の取り外し可能な2つのハンドルを使って、運転中でも簡単かつ正確にナイフのクリアランスの調整が可能です。

特徴3:対象物に合わせた適切な切断

素早く個別にロールを調整して、適切な送り込み間隔を確保します。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。

まとめ

繊維リサイクルは、地球環境を守るために私たちができる重要な取り組みの一つです。

企業としても、環境負荷を減らす責任が求められています。

自社の廃棄物処理を見直し、リサイクルを積極的に取り入れることで、社会的責任を果たすだけでなく、
・コスト削減
・イメージアップ
にもつながる可能性があります。

遠藤工業のカッティングマシーンを活用して、効率的かつ持続可能な繊維リサイクルを実現しませんか?

小さな一歩でも、それが未来の大きな変化につながります。
今こそ繊維リサイクルについて考え、行動を始めましょう。